本当の君を好きになる


***


「サンタさん!」


「うるさい。」


「サーンタさん♪」


「やめろ。」


私が話しかける度に、面倒くさそうに返事をする直登。

先ほど、湊くんの家に行ってプレゼントを渡してから、今はマンションに向けて帰っているところだ。

私たちは、サンタさんの衣装を着たまま、歩いている。




直登の家の玄関前まで帰ってきたところで、プレゼントを入れるのに使っていた、白い大きな袋を投げられた。

それを受け取って、私は違和感を感じる。


直登は、そのまま家に入ろうとしていた。
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