本当の君を好きになる





そう言って、直登の手を握る。



指先は、とても冷たいけど、手のひらはほんのり温かい。



すると、直登は私の事を見上げる。



真剣な顔で。



その真剣な顔に、私はドキッとする。






「……何か……今日は帰したくない。」







「……え?」





「おいで、可鈴。」






その言葉に、私は引き寄せられるように立ち上がると、直登についていく。



私だって……今日は一緒にいたいよ──。





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