本当の君を好きになる
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私は、帰ってきて早々ベッドに崩れ混む。
ブワッと溢れ出す涙。
溢れ落ちた雫は、ベッドのシーツに染み込んでいく。
拭うことも、声を出すことも出来なくて、自分が情けなくて、悔しくて……。
苦しい時には、直登が側にいてくれた。
でも、今はその直登にも頼れない。
机に向かう気にもなれず、私は目を閉じた。
ふと、おみくじの事が頭を過る。
ああ、おみくじなんて引かなければ良かった。
あんなものを引いてしまったから、私の運勢はめちゃくちゃなんだ。
そうだ。
全てはおみくじのせいだ。
そう自分に言い聞かせて、弱い自分を元気付けようとする。
その事も情けなくて、更に涙が溢れた。
違う。
悪いのはおみくじなんかじゃない。
分かってる。
自分が一番分かってる筈なのに、認めたくないだけ。
私が努力しなければ、何も変わらない。
私は、ガバッと起き上がると、両頬をバシンと叩き机に向かった。