本当の君を好きになる

***





私は、帰ってきて早々ベッドに崩れ混む。


ブワッと溢れ出す涙。


溢れ落ちた雫は、ベッドのシーツに染み込んでいく。


拭うことも、声を出すことも出来なくて、自分が情けなくて、悔しくて……。




苦しい時には、直登が側にいてくれた。

でも、今はその直登にも頼れない。

机に向かう気にもなれず、私は目を閉じた。




ふと、おみくじの事が頭を過る。




ああ、おみくじなんて引かなければ良かった。


あんなものを引いてしまったから、私の運勢はめちゃくちゃなんだ。


そうだ。


全てはおみくじのせいだ。




そう自分に言い聞かせて、弱い自分を元気付けようとする。


その事も情けなくて、更に涙が溢れた。





違う。



悪いのはおみくじなんかじゃない。



分かってる。



自分が一番分かってる筈なのに、認めたくないだけ。



私が努力しなければ、何も変わらない。




私は、ガバッと起き上がると、両頬をバシンと叩き机に向かった。





< 159 / 308 >

この作品をシェア

pagetop