本当の君を好きになる
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ベッドに転がって、天井をボーッと眺める。
スマホに手を伸ばし画面を開いてみるが、連絡は届いていない。
「……はぁ。」
ため息しか出ない。
確かに、会わないようにしようと言ったのは俺だ。
それが可鈴の為だと思ったから。
でも、参った。
今まで当たり前のように会って、話して、連絡を取り合って……だったから、正直この状況に俺自身が一番参ってる。
いつものちょっとした意地悪のつもりだった。
「会わないようにしよう。」
と言えば、
「そんなの嫌だっ!!」
って泣きついて来ると思ってた。
一人で通る、通学路はいやに長くて。
教室でも、近寄る事なんて許されない。
目が合うことさえもない。
可鈴と話したくて、触れたくて……たまらない。
「……はぁ。」
と、その時──。