本当の君を好きになる

***





ベッドに転がって、天井をボーッと眺める。


スマホに手を伸ばし画面を開いてみるが、連絡は届いていない。




「……はぁ。」




ため息しか出ない。



確かに、会わないようにしようと言ったのは俺だ。


それが可鈴の為だと思ったから。







でも、参った。


今まで当たり前のように会って、話して、連絡を取り合って……だったから、正直この状況に俺自身が一番参ってる。




いつものちょっとした意地悪のつもりだった。



「会わないようにしよう。」



と言えば、



「そんなの嫌だっ!!」



って泣きついて来ると思ってた。





一人で通る、通学路はいやに長くて。


教室でも、近寄る事なんて許されない。


目が合うことさえもない。




可鈴と話したくて、触れたくて……たまらない。




「……はぁ。」






と、その時──。





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