本当の君を好きになる
「だったら、"今"を大切にすれば良いんじゃないかな?」
「え。」
「どうやっても時間は過ぎていっちゃうもんね。今この一瞬も、過ぎてしまえば私たちの過去になる。その過去を、いかに楽しかったものに出来るかは、今の私たちにかかってるよ。未来の私たちが、そんな過去を思い出すときに、1つでも多くの楽しかったことを思い出せるように……今をとにかく素敵な時間にしよう?」
「……可鈴。」
「未来の事を考えるのも、もちろん重要だよ?でも、未来は今の積み重ねで出来るからね!だから──」
そこまで言った時、私は直登の腕の中にいた。