本当の君を好きになる

***




「──海外の大学に進学するつもりなんだ。」





その言葉に、私は目をパチクリさせる。


海外……?


海外ってどういうこと……?


直登と、離れることは仕方のないことだと思ってた。


でも、それは国内にいるからまだそう思えるのであって、海外なんてあり得ない事だと思ってた。





「俺、可鈴と離れたくなくて、海外に行くこと諦めてた。でも、さっきの話聞いて決心した。とにかく、今はこの時間を大切に生きて、そんな思い出を思い出しながら、海外で頑張ることにするわ。」






勝手に進んでいく話。


え、待って?

こんなことになってしまったのは、もしかして私のせい?


私が、変に前向きな話をしてしまったから?


私も、怖い。寂しいって泣きつけば良かった?


待って、違う。


違うんだよ、直登。




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