本当の君を好きになる
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「──海外の大学に進学するつもりなんだ。」
その言葉に、私は目をパチクリさせる。
海外……?
海外ってどういうこと……?
直登と、離れることは仕方のないことだと思ってた。
でも、それは国内にいるからまだそう思えるのであって、海外なんてあり得ない事だと思ってた。
「俺、可鈴と離れたくなくて、海外に行くこと諦めてた。でも、さっきの話聞いて決心した。とにかく、今はこの時間を大切に生きて、そんな思い出を思い出しながら、海外で頑張ることにするわ。」
勝手に進んでいく話。
え、待って?
こんなことになってしまったのは、もしかして私のせい?
私が、変に前向きな話をしてしまったから?
私も、怖い。寂しいって泣きつけば良かった?
待って、違う。
違うんだよ、直登。