本当の君を好きになる
***
「──おい。」
トイレから出てくると、待っていたのは直登。私は、驚いて一瞬固まる。
「……あんまり女子トイレの前にいない方が良いよ?」
「余計な事言うんじゃねぇよっ…!ちょっと来い。」
私は、そのまま渋々着いていく。
そして、昨日の空き教室に辿り着いた。
「……用があるなら、早めに済ませてね?人待たせてるから。」
私が、そう言うと直登がまた不機嫌になるのが分かった。
そんな怖い顔しなくても……。
「待たせてるって……誰だよ?」
「隣のクラスの、桐谷湊くん。」
「桐谷湊……!?」
直登が、顔をしかめる。
直登が、ここまで人の名前に反応するのも珍しいな……。
「何で桐谷を待たせてるんだよ……?」
「あー、実は今朝告白されたん──」
「──告白っ!?!?」
直登が珍しく、こんなに驚いているので私も少し困惑を隠せなかった。