本当の君を好きになる
「告白って……返事はどうすんだよ?」
「返事より何より、私桐谷くんの事何も知らないから、まずは彼の事知らなきゃ何とも言えないなぁ…。」
「…………。」
最終的には黙り込んでしまった直登。
「……じゃあ、私もう行くね。」
そう言って直登に背を向け歩き出す。
すると、腕をガシッと掴まれた。
振り返ると、直登は俯いたままだった。
握る手は、少し震えている。
「直登……?」
「……………からな。」
「………へ?」
「…………帰るからな。」
あれ?やっぱり怒ってるのかな?
私が、そう思った瞬間、直登が顔をあげて話した。
「明日は俺と一緒に帰るからなっ!?いいな!?」
直登は、真っ赤な顔でそう言って、そのまま教室を出て行った。
私は、ポカンとして固まる。
そして、一人で呟く。
「…………何、今の………?めっちゃ可愛い………。」