本当の君を好きになる




「告白って……返事はどうすんだよ?」


「返事より何より、私桐谷くんの事何も知らないから、まずは彼の事知らなきゃ何とも言えないなぁ…。」


「…………。」




最終的には黙り込んでしまった直登。



「……じゃあ、私もう行くね。」



そう言って直登に背を向け歩き出す。

すると、腕をガシッと掴まれた。

振り返ると、直登は俯いたままだった。

握る手は、少し震えている。




「直登……?」



「……………からな。」



「………へ?」



「…………帰るからな。」



あれ?やっぱり怒ってるのかな?

私が、そう思った瞬間、直登が顔をあげて話した。






「明日は俺と一緒に帰るからなっ!?いいな!?」






直登は、真っ赤な顔でそう言って、そのまま教室を出て行った。

私は、ポカンとして固まる。



そして、一人で呟く。













「…………何、今の………?めっちゃ可愛い………。」




< 19 / 308 >

この作品をシェア

pagetop