本当の君を好きになる

***






「──なあ、可鈴。」



「ん?何ー?」



下校中に、直登に話しかけられ、彼の方を見ると、少し不機嫌な表情をしていた。




「あんまり、優しくし過ぎんなよ。」



「え?」



「誰にでも優しいのは、お前の良いところだけど……あんまり、誰にでも優しくしてたら、すぐに惚れられるぞ?」




直登の言葉に、私は目をパチクリさせる。


惚れられる……?


私なんかが……?




「アハッ!!直登、それ余計な心配しすぎだから!」



「余計じゃねぇよ。」



「とりあえず、直登たちが前の席で楽しんでる分、私も新しい友達作って楽しんじゃうんだからねー!!」





直登は、そんな私を見ると深くため息をつく。





「はぁ……。不安しか無いわ。」



「私は、楽しみしかないよ!!」



「もう良いや。さっさと帰るぞ。」



「はーい!早く帰ろ~!!」




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