本当の君を好きになる
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「──なあ、可鈴。」
「ん?何ー?」
下校中に、直登に話しかけられ、彼の方を見ると、少し不機嫌な表情をしていた。
「あんまり、優しくし過ぎんなよ。」
「え?」
「誰にでも優しいのは、お前の良いところだけど……あんまり、誰にでも優しくしてたら、すぐに惚れられるぞ?」
直登の言葉に、私は目をパチクリさせる。
惚れられる……?
私なんかが……?
「アハッ!!直登、それ余計な心配しすぎだから!」
「余計じゃねぇよ。」
「とりあえず、直登たちが前の席で楽しんでる分、私も新しい友達作って楽しんじゃうんだからねー!!」
直登は、そんな私を見ると深くため息をつく。
「はぁ……。不安しか無いわ。」
「私は、楽しみしかないよ!!」
「もう良いや。さっさと帰るぞ。」
「はーい!早く帰ろ~!!」