本当の君を好きになる
いつもの帰り道。
いつも見ている景色。
いつもと何も変わらない。
ただ一つだけ違うのは、隣にいるのが直登では無いということだ。
「瀬戸さん。」
そう言って、急に肩を引き寄せられる。
へっ!?!?
いきなり何!?何なんですか!?
と、焦っているとすぐ隣を自転車がチャリンチャリンと通っていった。
そして、離される手。
私は、目をパチクリさせながら、桐谷くんの顔を見つめる。
桐谷くんは私の視線に気がつくと、クールな笑みを浮かべる。
ドキッ……。
何か、桐谷くんって、すごくスマートだな……。
クールな感じだから、何を考えてるかは読み取れないけど、優しい人なんだって事は、行動から伝わってくる。