本当の君を好きになる
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「──ふー、終わったー。」
「流石は学年トップ。解くスピードも人とは違うね。」
「そういう桐谷だって、最後の一問だよね?流石だよ。」
「幸坂くん、いつもと違って気持ち悪いよ。」
「それって、どういう事ですかね~?」
「ね?井上さんも、そう思うでしょ?」
「……へっ!?」
ボーッとしていた。
完全にボーッとしていた。
話の内容なんて全く聞いていない。
二人の方を向いていたのは向いていたけど……。
それなら、聞いていたって勘違いされても仕方ないよね。
「……ごめん、全然聞いてなかった。」
私が、そう言うと湊くんは、はぁとため息をついた。
あぁ……呆れられちゃったよ……。
「保健室行った方が良いんじゃない?」
「……え?」