本当の君を好きになる




***






「──ふー、終わったー。」



「流石は学年トップ。解くスピードも人とは違うね。」



「そういう桐谷だって、最後の一問だよね?流石だよ。」



「幸坂くん、いつもと違って気持ち悪いよ。」



「それって、どういう事ですかね~?」





「ね?井上さんも、そう思うでしょ?」





「……へっ!?」





ボーッとしていた。

完全にボーッとしていた。


話の内容なんて全く聞いていない。


二人の方を向いていたのは向いていたけど……。

それなら、聞いていたって勘違いされても仕方ないよね。





「……ごめん、全然聞いてなかった。」




私が、そう言うと湊くんは、はぁとため息をついた。


あぁ……呆れられちゃったよ……。





「保健室行った方が良いんじゃない?」



「……え?」




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