本当の君を好きになる
「……びっ……くりしたぁ……。」
私が、そう言うと湊くんはニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。
「たまには注目されるのも良いんじゃない?」
「よくないよっ……!もう教室戻れないから、保健室行くしかないね……。」
「ん?別に行きたくないなら行かなくてもいいけど?」
「……へ?」
「俺が話聞いてあげる。樋野綾人と何かあったんじゃないの?」
その言葉に、思わず足が止まる。
開いた口が塞がらないとは、まさにこの状況の事だろう。
「どうして……?」
「何となく。」
「……何となくで分かっちゃうんだ……?桐谷くんって、本当にすごい……。」