本当の君を好きになる
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授業が終わり、プリントを前に提出しようとすると、樋野くんが一緒に持っていってくれた。
「ありがとう。」と言って、そのまま席に座り凪沙の事を思い出す。
そういえば、湊くんと出て行ったけど、どこに行ったんだろう?
二人とも帰ってきてないし……。
でも……二人で抜け出すって事は、何か面白いことに成りそうかも……!!
そんな事を思っていると、頭に衝撃が走る。
とっさに頭を押さえると、ニッコリと笑った直登が目の前に立っていた。
「瀬戸さーん。一緒にお昼食べよ~?」
え……。
何その笑顔。
怖いんですけど。
絶対に、何か怒ってるでしょ!?
い、嫌だっ……。
このまま二人になったら、何言われるか分からないぞ……!?
ど、どうすれば──
そんな事を考えている時、樋野くんが、自分の席に戻ってきた。
「──あ、樋野くん!プリントありがとうね!」
「あ、気にしなくて良いよ。ついでだったし。」
「あ、あと、良かったら一緒にお昼食べない?」
「「え?」」
直登と、樋野くんの声が見事に重なる。
そして、樋野くんは気まずそうに笑うと、答える。
「いやいや、流石にその二人の間に入る勇気はないよー。彼氏がいるんだから、二人で食べなよ。」
「え!?え、遠慮しなくても──」
「──樋野くん。気遣ってくれてありがとう。じゃあお言葉に甘えて二人で食べさせてもらうね。ほら、瀬戸さん行くよ。」
そう言って、私のお弁当袋を持つと、もう片方の手で私の腕をグイグイ引っ張る。
ああああ……!!
私の安息の地がああああ……!!
覚悟を決めて、教室を後にした。