本当の君を好きになる






何だったんだ?


あの気持ち悪い空間は。



湊くんと凪沙は、変わらず仲良く話を続けているようだ。




やっぱり、最近凪沙は変わった。


でも、ハッキリ何が変わったかは分からない。



凪沙は一体、何を抱えているのだろう──?






「──おはよ。」




そこへ、私の癒しである樋野くんがやって来る。



「あ、おはよう。」



いつもなら、そこで柔らかい笑顔を見せてくれる樋野くんだが、今日は顔をしかめて首を傾げた。





「……瀬戸さん、元気ないね?」



「へっ!?」



「もしかして、凪沙……ちゃんと喧嘩でもしたの?」



「あ、いや、そんなことないよー!心配かけてごめんね?」




そう言いながらも、私の心臓は激しく音を立てる。


何で、そんなことまで分かっちゃうの……?


樋野くんは、やっぱり不思議だ。




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