本当の君を好きになる
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お昼休み。
今日は、皆とお弁当を食べる気にならなくて、一人屋上に来ていた。
何で、こんなモヤモヤしている時に限って、空はこんなにも青く澄み渡っているんだろう?
ここで、雨でも降ってくれれば、少しは悲しい気分に浸れるのに……。
おむすびに、かぶりつく。
うん。今日も美味しい。
と、その時屋上の扉がガチャリと開いた。
「──あ、瀬戸さんみっけ。」
「え、湊くん……?」
そこには、お弁当袋を下げた湊くんが立っていた。
てっきり、直登が追いかけてきてくれたと思っていた私。
その人物の登場に、驚きが隠せなかった。
「空き教室にいると思ってたから、ちょっと手こずったよ。もう少し、分かりやすい場所にいてよね。」
「え、何か……ごめんなさい。」
「ハハッ!嘘々。ここでご飯食べて良い?」
「あ、もちろん。」
湊くんは、ニコニコしてお弁当を開けると「いただきます。」と言ってご飯を食べ始めた。
「……何で?」
自然と出た言葉。
そこには色んな意味が含まれている。
何でここに来たの?
直登と凪沙は放っておいて良いの?
そこまでして探してくれたの?
何か言いたいことがあるの?
「……そんなの言わなくても分かるでしょ?瀬戸さんが心配だったからだよ。」
「……心配なんて……。」
「何か悩んでる顔してたから、相談に乗ってあげようかな~?ってね。」
「……私って、やっぱり分かりやすいのかな。」
そう言って笑い合う。
湊くんが来てくれた事で、少し気分が楽になった気がする。
何だかんだ、湊くんは優しくて、困っている時にはすっと手を差し伸べてくれる。
そんな頼りになる存在だ。
「──分かりやすいというか、分かってあげたいんだよ。」