本当の君を好きになる
「ちゃんと説明しろよ。」
「……悪い。……反省してる。」
「謝罪の言葉なんていらねぇんだよ。説明しろって言ってんだろ。」
「……ちょっと、可鈴の話しててさ……それで井上泣いちゃって。今は、側にいない方が良いと思って、自動販売機まで飲み物買いに行ったんだ。……それで帰ってきたら……教室からいなくなってて……弁当も……床に散らばっててっ……。」
直登がそこまで言った瞬間、湊くんは走り出していた。
私と直登も慌てて彼の後を追いかける。
気になることは、いくつもある。
まずは、私の話をして凪沙が泣いてしまったこと。
直登は、凪沙に何を話したのだろうか?
次は、お弁当が床に散らばっていたこと。
凪沙の身に何か危険な事が起こってしまったのかもしれない。
最後は、湊くんがここまでして焦っていること。
私が知らないうちに、凪沙はとんでもない闇を抱えてしまっていたのかもしれない。