本当の君を好きになる
過去
「──あ、もしもし凪沙?」
学校終わりに凪沙に電話をかける。
その声に元気さは感じられなかった。
昨日のことがよほどショックだったのか、凪沙は今日学校を休んでいた。
桐谷くんも、樋野くんも心配で、そわそわとした1日を過ごしていた様子だった。
「今日泊まりに来ない?明日ちょうど休みだしさ、久々に女子二人でゆっくり話そうよ!どう?」
少しでも凪沙の力になりたいと思った私は、彼女の過去を知りたいと思った。
彼女に過去を話してもらって、痛みを共有するだけでも、少し気持ちが楽になるかもしれない。
そう思って、勇気を出して誘ってみた。
『……行きたい。』
凪沙は、震える声で、でもしっかりと決意を込めてそう言ってくれた。
凪沙、一人で抱え込ませて本当にごめんね。
早く私に話して楽になって──?