本当の君を好きになる
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「──へぇ、樋野くんって家庭教師してたんだ!」
お菓子を食べながら、凪沙の話に耳を傾けていた私。
凪沙は「そうなの。」と言って、一度ジュースを口に含んだ。
「彼が家庭教師になってくれてから、菜月の成績はどんどん伸びていってね。両親も大喜びだったの。」
「そりゃあ、そうだよね!」
「でも、ここからが問題だった。」
「……うん。」
私も、ジュースを一口含んでから、覚悟を決め再び凪沙の話に耳を傾けた。