本当の君を好きになる
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パチッと目を開けて見えたのは、暗く見慣れない天井。
自分の状況を理解するのに、少し時間がかかった。
ああ……そういえば、可鈴の家に泊まりに来てたんだった。
ふと隣に視線を移すと、ぐっすりと眠っている可鈴。
今回のことで、色んな人を巻き込んじゃったな……。
でも、可鈴にはちゃんと話が出来てよかった。
これも、あの時話をしてくれた幸坂くんや、いつも支えてくれた桐谷くんのお陰だね。
ふと、スマホに手を伸ばすと、桐谷くんからメールが入っていた。
『ゆっくり話が出来たかな?瀬戸さんパワーをしっかり貰って、来週からまた学校で待ってるよ(^o^)/』
そのメッセージを見て、私の口角は自然と上がっていた。
そういえば、可鈴に聞いたけど、桐谷くん、あの時すごく心配して必死に探してくれたって言ってた。
すごく幸せなことだなって思うよ。
好きな人に、そこまで心配なんて普通してもらえないからね。
私は、返信のボタンを押すとメッセージを入力する。
『ありがとう!何か元気出た!また来週から桐谷くんに会えるの楽しみに学校行くね(*^^*)』
送信してから、私はゆっくりと目を閉じた。