本当の君を好きになる
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「……き、緊張してきた……。」
「し、しっかりしてよ。お姉ちゃんっ……!!」
「大丈夫だよ、私もいるし。」
緊張する井上姉妹と、余裕な私、瀬戸可鈴。
凪沙の苦しみを知った金曜日、菜月ちゃんと仲直りを果たした土曜日を過ごし、今日は日曜日。
緊張する二人と共にどこに向かっているかというと……
「てか、綾人くん家にいるのかな?」
「いる筈だよ?連絡したら、今日は1日家にいるって言ってたから。」
「……ですよね。」
二人の仲直りも果たしたということで、今度は樋野くんとも仲直りというか、謝罪をしようということになったのだ。
妹の菜月ちゃんの案だが、とても素敵な事だと思うよ。
二人だけでは不安だし、住んでる場所も連絡先も分からないということで、私もついていくことになった。
「あ、ここだ。」
私がそう言うと、二人に更に緊張が走るのが分かった。
でも、会わなきゃ話は始まらないし……と思い、遠慮なしにインターホンを押す。
少し経ってから、玄関の扉がガチャリと開く。
すると、樋野くん本人が出てきた。
凪沙は、まさかの本人登場に固まり、樋野くんも驚きで目を見開く。
しかし、菜月ちゃんは……
「急に訪ねて来てごめんなさい。でもね、本当に遅くなっちゃったけど、話したいことがあるの。」
と、淡々と話を進める。
樋野くんは、状況が理解できていないようで、何も返事をしなかった。
「……樋野くん?大丈夫……?」
私が尋ねると、樋野くんはハッとして意識を取り戻す。
「あ、ごめん。何か色々訳分かんなくて……とりあえず、立ち話じゃなんだし、上がって?」