本当の君を好きになる

***




「──湊くんはね、学校のこと何も話してくれないから、心配だったの。」



リビングに通された私たち。

私と直登は並んで座り、目の前には優しい笑顔を浮かべた女性。




「一緒に……暮らしてるんですか?」




私の言葉に、彼女は首を傾げる。




「……一緒に暮らしちゃダメかな?」





「いえ。そういう訳ではなくて──」






「──あー、もしかして湊くんから何も聞いていないのね?」





私は、その言葉に思わず身構えてしまった。









「申し遅れました。私、湊くんの母親の桐谷楓奈キリタニフウナです。」






「……え?」



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