本当の君を好きになる
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「──何か、どんどん悪い方向に進んでいってないか?」
直登の発言に、私も樋野くんも何も言えなかった。
湊くんの家を訪ねた次の日、今度は凪沙が学校を休んだ。
湊くんも、もちろん学校には来ていない。
「……でも、凪沙が学校を休む理由が分からないんだけど。」
「……考えられるのは……瀬戸さんと同じように、桐谷くんと何らかの形で接触して、拒絶されて、ショックを受けてしまった、とか?」
「凪沙の事だからありえるね……。」
いつもより空気の重たい空き教室。
普段なら、5人でここに集まって、他愛もない話をして、笑い合っていたのに……。
どうしてこんなことになってしまったんだろう……?
私が、無理に湊くんに関わろうとしたから?
そもそも、花火大会の時にあの様子を見ていなければ……。
色々な想いが巡っている時、直登が口を開いた。
「とりあえず、俺と可鈴は今日も桐谷の家に行く。樋野は、井上に連絡を取ってみてくれ。推測する前に、本人に事実を確認しないとな。それが、今日の放課後の予定だ。良いか?」
落ち着いてそう話す直登。
こういう時に、冷静な人がいてくれることは本当にありがたいことだ。
そうだよね。
頭で考えているだけじゃ何も変わらない。
私たちが動くしかないんだ──。