本当の君を好きになる
ガラララ──!!!!
勢いよく開いた保健室の扉。
焦った表情の直登。
目をぱちくりさせる私。
困った顔の保健室の先生。
「はぁっ……はぁっ……!!」
静かな保健室に響く、直登の息づかい。
直登は、そのままの勢いで私の元まで歩いてくると、両肩を掴む。
「怪我は!?」
「……へ?」
「桐谷はどこだよ!?」
「湊くんなら、このカーテンの向こうで寝てるけど……。」
「……は?」
直登は、そーっとカーテンの向こう側を覗き込むと、冷静になって戻ってきた。
「……何だよ。保健室にいるって言うから……怪我でもしたのかと思った……。心配した……。」
「……ごめんね?」
私は謝ると、立ち上がる。
そして先生にお礼を言って二人で保健室を後にした。
「まじで焦った。桐谷の奴、様子おかしかったし、お前は帰ってこないし……完全に何かされたかと思った……。」
「心配かけちゃったね……。ごめん。」
「……良いよ。」
そう言って、直登は私の体を優しく抱き締めた。
まさかの出来事に、私は固まってしまう。
私も、背中に手をまわして直登の気持ちに応えようとしたその瞬間、直登は私の肩を思いきり、ぐいっと押した。
私たちの体は一気に離れる。
「……直登?」