本当の君を好きになる
「僕は胸をはって言えます。
この高校に来ることが出来て良かった。
今の友だちと知り合い、仲良くなることが出来て良かった。
家族の元に生まれることが出来て良かった。
皆さんも、今同じような思いを抱いているのではないでしょうか?
僕はそれぞれに本当に感謝しています。
そして、自信を持って卒業をしたいと思います。
──卒業生一同起立。」
突然の湊くんの号令だったが、私たちは一斉に立ち上がった。
「回れ右。」
そのまま後ろを向く。
在校生、保護者の驚きの表情が見える。
「ありがとうございました!」
『ありがとうございました!!』
卒業生一同の感謝の気持ちが、体育館全体に響き渡る。
会場は大きな拍手で包まれた──。