本当の君を好きになる
「ちょっ、直登。どこ行くの?」
すると、面倒くさそうに振り返り私を睨み付ける。
「誰かさんが飲み物の1つも用意してくれてないから、買いに行くんですけど?分かりませんか?」
完全にイライラしている様子の直登。私は、怯えながら答える。
「す、すみません……。」
そのまま、シュンとしてその場に立っていると、彼は私の頭を叩いた。
「いたっ…!?ちょ、何っ…!?」
突然の出来事に私は顔を上げる。すると……
「……買いに行くって言ってるんだから、黙って着いて来いよ……。」
頭をわしゃわしゃと掻き、ボソッと呟いた直登。
私は、目をパチクリさせる。
「…………へ?」
「は?」
私たちは、お互いの顔を見て一瞬固まる。そして、私は問いかける。
「直登、どうしたの?」
私の発言に、プチッと何かが切れる音がした。
「はあ!?それは、こっちの台詞だっての!!!!このド天然女!!!!」
「ちょ、ド天然女ってどういうことよ!?」
「もう良い!!お前は先に教室戻ってろ!!」
「え、待ってよ!!直登っ!!!!」
荒々しくドアを開けた直登を必死で追いかける私。
彼は、とにかく早足で歩いていく。
「直登ってば~!!!!」