本当の君を好きになる





***




凪沙と湊くんが教室を出ていき、私はせっせと荷物を準備していた。


どうせ、直登も女の子から告白されてるんだろう。

最後の最後に大変なんだろうなぁ。




でも、せっかく最後なんだから、私との時間作ってくれても良いのに……。

少し頬を膨らませていた時、卒業アルバムと卒業文集の間から、紙がヒラリと床に落ちた。




何だろう……?と思いながら紙を拾う。






『いつものあの場所で待ってる。   直登   』







「……え?」







私は思わず辺りを見回していた。

直登の姿は教室にはない。しかも荷物もなくなっている。




……いつの間に……?




私は、荷物を乱雑に鞄にしまいこむと、紙をギュッと握りしめて教室を飛び出した。




あの場所って言ったら……あの場所しかないよね──!?




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