本当の君を好きになる
「──おい、可鈴。話長すぎだろ。」
空き教室の入り口から聞こえた声。
「あ、直登ごめん!!そういえば待たせてたの忘れてた!!」
「はあ!?お前、ふざけんなよ!?」
「ごめんごめん!今行くから!!じゃあ、湊くん、また明日ね!」
「はいはーい。お幸せにー。」
湊くんは、またダルそうに手を振ってくれた。
私は直登に両手を合わせて謝ると、歩き始める。
「…………はぁ、やっぱり可愛いわ。」
そんな、湊くんの呟きなんて聞こえる筈も無かった。