本当の君を好きになる
***
「──えーっと、つまり、今さらですが好きな事に気づいたって事ですか?」
「つまり、そういうことです……。」
湊くんと別れた次の日の放課後の事。
いつものように向かい合って座る、凪沙と私。
すると、凪沙が急に噴き出した。
私は、その事に驚く。
「アハハッ!良かったね!可鈴もようやく、恋を知れたって事でしょう?私も嬉しいよ!」
「凪沙……!!」
私と凪沙は、ギューッと抱き合う。
「私応援するね!」
「凪沙!ありがとう~!!」
そう。恋に気づいた私。
それは、私にとって一つの成長であり、嬉しいことだと思っていた。
でも、1つだけ問題があるんだよね。
「──瀬戸さーん。井上さーん。」
その声に、私はドキッとする。
「あ、幸坂くん!どうしたの?」
そこには、いつもの王子モードの直登が立っていた。
その姿を見るだけで、私の心臓は高鳴ってしまう。
もう、病気なのでは無いかと思うほどだ。
一方凪沙は、慣れたもので逃げずに対応が出来るようになった。慣れって凄いなーと思う。
「いや、暇だったから遊びに来たんだ!」
「あ、本当!?じゃあ、一緒に話そっか!」
「そうだね!……って、瀬戸さん?どうしたの?」