本当の君を好きになる
私は、直登の方を向けないでいた。
だって、何か、キラキラしてて見れないんだもん……!!
そう、問題はこれだ。
好きだと分かった瞬間から、直登とどう接して良いのか分からなくなってしまったのだ。
「あ、ちょ、ちょっと目にゴミが入っちゃったみたいでー。」
「え?それは大変。僕に見せて?」
そう言って、腕を掴まれ顔を覗き込まれる。
間近にある、直登の顔。
私の頭は、ボンッ!!と音を立てる。
そして、顔は真っ赤に染まる。
「は?」
思わず、普通の声が出てしまっている直登。
「瀬戸さん、顔真っ赤にしてどうしたの?もしかして、体調でも悪いの?保健室に──」
「──け、結構ですっ!!!!」
私は、そう叫んで直登の手を振り払う。
直登は、驚きで目を丸くする。
「……瀬戸さん?」
「わ、私、ちょっとトイレ!!」
そう言って、その場から逃げるようにしてトイレへと向かった。
トイレの個室に入り、鍵を閉めると、私は胸に手を当てる。
心臓の音が、物凄い早さで刻まれている。