本当の君を好きになる
***
「───へー、それは大変だね。」
「そう言いながら棒読みなのはいじめですか!?いじめなんですか!?」
いつもの空き教室に移動した私たち。
私の悩みを相談するが、湊くんは既に興味は無さそうだ。
「はぁ……恋する女の子って大変なんだね。」
湊くんは、そう言いながらダルそうに呟く。
この人、基本的に面倒くさがりやなのか。
少しずつ、この人の特徴が掴めてきたぞ……。
「ど、どうすれば良いと思う?」
「んー?どうすれば良いって言われたって、正直どうしようも出来ないんじゃない?」
湊くんは、そこにある椅子に深く腰かけると、話を始める。
「好きだって気持ちは否定できないんだし、その気持ちに正直になれば良いんじゃないの?普段通りにって思えば思うほど、逆の行動になっちゃうからね。だから、そのままで良いと思うよ。それで、逆に相手に気づかせれば良いんだよ。」
「……気づかせる?」
「そう。あ、コイツ俺の事が好きなんだなって。」
「な、なるほどっ……。」