本当の君を好きになる




何っ……?何を言おうとしてる……!?


今までで一番大きな心臓の音。

この音が、直登にも聞こえているんじゃ無いかと思うほどだ。





「──俺の王子モードにキュンとしたのか?」





「…………は?」



思わず、その一言が出てしまっていた。




「まあ、それも分かるような気がするよ。普段は見せない優しさに、思わずキュンとしてしまう……仕方ないよな。」




何か、ものすごくイライラするのは、私の気のせいでしょうか?

でも、次の瞬間には呆れて、笑いも出てきた。


直登って案外、鈍感みたい。

たぶん、当分の間は私の気持ちにも気づけないんだろうな──。




そんな事を思いながら、私たちは今日も二人でいつもの道を帰っていった。



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