本当の君を好きになる
近づく距離?
ザアアアア……!!
「………雨………すごすぎ……。」
あれから、3週間ほどが過ぎていた。
私たちの関係に全く変わりはない。
今までのように、皆の前で王子を演じ、私の前では本性をさらけ出す直登。
そして、そんな直登へ恋心を抱きながらも、それを伝えられない私。
そして、毎日の登下校も変わらず一緒だ。
ちょうど、帰ろうとして教室から一階へ降りていた時、パラパラと雨が降り始めた。
直登は、トイレに行くと言ったので、一足先に下駄箱へとやって来た。
すると、この状況だ。
困った……傘持ってないんだけど。
そんな事を考えていると、後ろから足音が聞こえた。
「うっわ、雨ヤバすぎ。」
トイレを済ませてやって来た直登は、外の様子を見て呟く。
しかし、躊躇うことなく靴を履き、私の隣に立った。