本当の君を好きになる
***
ピンポーン──。
湊くんのいじりがある中、なんとか1日が終了した。
学校が終わってから、すぐに家に帰り、今日の配布物を持って、直登の家にやって来た。
ガチャリ。
いつもより、重たそうに開くドア。
そこから覗くのは、顔色の悪い直登。
目は、あまり開いていないし、マスクをしていていかにも病人だ。
「……可鈴か。」
「調子はどう?」
「……この通りだよ。」
「おばさんはいないの?」
「仕事。」
「そっかー。」
私は、そこで今日の配布物を渡そうとする。
すると、腕をガシッと掴まれた。
いつもよりも、熱くそして力が強い。