本当の君を好きになる
「……そこで帰ろうとすんな。」
「へ?」
そのまま、腕をグイッと引っ張られ、私の体は直登の腕にスッポリとおさまってしまった。
まさかの出来事に、私の思考は停止する。
そして、直登から逃れようと、私は必死で言葉を発する。
「──!?ちょ、ちょちょちょ、直登っ!?」
「もう限界。……部屋まで運んで?」
もう立っていられないのか、直登は私の肩に額を乗せる。
ズシッと体重がかかる。
こ、これは緊張してる暇は無いぞ!本当に、部屋に運んであげないと……!!
私は、直登を支え、一緒に部屋まで歩いていった。