本当の君を好きになる

***


「──はぁ、死ぬかと思った。」



ベッドにドサッと倒れ込んだ彼は、真っ赤な顔でそう呟く。

本当に苦しそうだな……。

とりあえず、布団をかけ心配そうにその姿を見つめる。

すると、直登は私の視線に気づいたのか、ニッコリと笑みを浮かべてみせた。



「そんな無理して笑わなくても良いよ。」



私が、ボソッと呟くと直登は真顔になる。

そして、私の頭に手を伸ばすと、わしゃわしゃと撫でてくれた。

突然の、出来事に私は戸惑いを隠せない。




「無理してるつもりなんてないよ。お前が来てくれたから、少し元気が出ただけだ。」



そう言って、またニコッと笑う。



「元気じゃないじゃん。そんな真っ赤な顔して、そんな熱い体で。……よく言うよ。」


「そんなに熱いか?……でも、お前の手冷たいから、気持ちいいな。」



そう言って、私の手に触れる。


私は、緊張しすぎて声を出すこともままならなかった。


伝わる熱。

そして、大きな手に綺麗な指。


その男らしい一面に、私は釘付けになっていた。




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