本当の君を好きになる
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「──はぁ、死ぬかと思った。」
ベッドにドサッと倒れ込んだ彼は、真っ赤な顔でそう呟く。
本当に苦しそうだな……。
とりあえず、布団をかけ心配そうにその姿を見つめる。
すると、直登は私の視線に気づいたのか、ニッコリと笑みを浮かべてみせた。
「そんな無理して笑わなくても良いよ。」
私が、ボソッと呟くと直登は真顔になる。
そして、私の頭に手を伸ばすと、わしゃわしゃと撫でてくれた。
突然の、出来事に私は戸惑いを隠せない。
「無理してるつもりなんてないよ。お前が来てくれたから、少し元気が出ただけだ。」
そう言って、またニコッと笑う。
「元気じゃないじゃん。そんな真っ赤な顔して、そんな熱い体で。……よく言うよ。」
「そんなに熱いか?……でも、お前の手冷たいから、気持ちいいな。」
そう言って、私の手に触れる。
私は、緊張しすぎて声を出すこともままならなかった。
伝わる熱。
そして、大きな手に綺麗な指。
その男らしい一面に、私は釘付けになっていた。