本当の君を好きになる
直登に、背を向け歩き出す。
二、三歩進んだところで涙がブワッと溢れてきた。
やっぱり、直登にとって私はただの幼馴染みでしか無いんだ。
少しでも舞い上がった自分が恥ずかしい。
恋が叶わないってこんなにも辛いことなんだ。
もう、直登に合わせる顔もないよ……。
ねえ、苦しいよ、直登。
苦しいよ……。
そのまま近くにあった公園に入ると、私はベンチに座って涙を流し続けた。
その涙は、枯れることなく、どんどん溢れてきた。
「──何で、泣いてんの。」