本当の君を好きになる

***




次の日、私と直登は自然と一緒に登校しなかった。

いつもなら、直登が私を迎えにやって来るのだが、今日はそれが無かった。

私も、彼に会う気にもなれず、そのまま学校へと向かった。




学校について教室に入った時、直登の姿は無かった。

何だ、まだ来てないのか。

そう思って、席に着いた瞬間、教室の扉が開き、直登が入ってきた。



一瞬バチっと目が合ったが、直登の方からすぐにそらされた。

その様子に、私は肩を落とす。


でも、避けているのは私もだ。

直登の事ばかり言えない。




そんな事を考えていると、教室の扉が少し乱暴に開いた。

その音で、みんなの視線はそちらに集まる。



すると……






「──すみませーん、幸坂直登くんっていますかぁ?」






挑発的な態度。

しゃべり方。

その瞳は酷く冷たい。



すべてが彼にふさわしいものでは無かった。

私は一瞬目を疑ったが、彼に変わりはなかった。



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