本当の君を好きになる
「……直登……。……数学の時は……ありがとう。すっごく助かったし……嬉しかった……よ…?」
私も、頬を赤く染めて直登にそう伝える。
その私の言葉に、直登は私の目を見て慌てふためく。
そして、顔を真っ赤に染めたまま俯く。
「そっ、そんな事っ……今さら言わなくていいだろ!!」
突然キレ始める直登。私は、ポカンとして答える。
「え?でも、直登が言わないと分からないって──」
「──あー、うるせぇうるせぇうるせぇ!!!良いからお前は黙ってろ!!!」
「ちょ、直登!落ち着いてよ!!」
「うるせぇ!!いいから着いて来んな!!」
「そんな事言われても、私たち家隣だし……。」
「…………チッ。」
あぁー……また舌打ちされちゃったよぉ……。
本日2度目の舌打ちだよ……。
はぁ……とため息をつき、前を見ると、同じ高校の生徒が向こうから歩いてくるのが見えた。
私は慌てて直登に話しかける。