本当の君を好きになる




「──俺、瀬戸さんの事が好きだ。」




まさかの一言。

私は固まってしまう。




何を言ってるの……?

湊くんは、直登の事を陥れようとして私に告白しただけで、何の気持ちも無かったんじゃ無いの?

どういうこと?

どこからどこまでが嘘なの?

待って、訳が分からない。





「……男の子は……嘘しかつけないの……?」




私が、そう呟くと抱き締める力が強くなった。

私は、湊くんの手に触れる。





「……ごめん。本当は最初から好きだった。……でも、瀬戸さんとアイツの事を考えて身を引いたんだ……。だけど、今のアイツには瀬戸さんの事を任せられない。」




後ろから抱き締めたまま、私の手を両手でギュッと握る湊くん。






「ごめん。好きなんだ。……どうしようもなくっ……瀬戸さんの事が好きなんだっ……!!」



< 93 / 308 >

この作品をシェア

pagetop