本当の君を好きになる
「──俺、瀬戸さんの事が好きだ。」
まさかの一言。
私は固まってしまう。
何を言ってるの……?
湊くんは、直登の事を陥れようとして私に告白しただけで、何の気持ちも無かったんじゃ無いの?
どういうこと?
どこからどこまでが嘘なの?
待って、訳が分からない。
「……男の子は……嘘しかつけないの……?」
私が、そう呟くと抱き締める力が強くなった。
私は、湊くんの手に触れる。
「……ごめん。本当は最初から好きだった。……でも、瀬戸さんとアイツの事を考えて身を引いたんだ……。だけど、今のアイツには瀬戸さんの事を任せられない。」
後ろから抱き締めたまま、私の手を両手でギュッと握る湊くん。
「ごめん。好きなんだ。……どうしようもなくっ……瀬戸さんの事が好きなんだっ……!!」