本当の君を好きになる
***
湊くんからの告白を、やんわりと断った私だけど……本当にあれで良かったのかな?
でも、今の私には誰とも付き合える自信が無くて……。
知らないうちに、断ってしまっていた。
きっと、あれで良かったんだ。
そう自分に言い聞かせて、1日を終えた。
一人で歩く帰り道。
また、こんなつまらない登下校が続くのかな……。
そう考えると、すごく寂しい。
マンションに辿り着いて、エレベーターで自分の階のボタンを押し、上がる。
6階に辿り着き、ボーッとしながら歩いていて、私は思わず声を出した。
「あ。」
「あ。」
お互いにそんな間抜けな声を出す。
私の隣の家に住んでいる、直登。
その直登が家の前にボーッと突っ立っていた。
「……何してるの?」