本当の君を好きになる





──直登の事が好きだよ。」




私の言葉に、直登は何とも言えない表情をする。


そして、俯く。




「直登が誰の事を好きでも構わない。私は、直登の事を想い続けるよ?だからね、もうそんな顔しないで?」



私がそう言うと、直登は手で顔を覆い隠した。


鼻をすすっているから、少し泣いているのかもしれない。




「……嘘をつくつもりなんて無かった。」


直登が話し始める。




「ただ、可鈴にフラれるのが怖かっただけだ。逃げただけだ。……あの告白は、俺の本当の気持ちだったんだ。俺は……本当に可鈴の事が好きだ。ずっと前から。信じてもらえないかもしれないけど、好きなんだ。」





「……直登。」

< 98 / 308 >

この作品をシェア

pagetop