こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「早く出せよ」


え?なにを…──!!


「マジで早くしろって」

「あ…。ありません」


こ、これはあれか?!

俗に言う、カツアゲってやつじゃ…!


「あ゛あ゛?ねぇわけねぇだろーが」

「殴られてぇのか?」

「有り金出しゃ何もしねぇでやっからよ」


わ。二対三だ。

真面目で気弱そうな男性二人が、男子高校生三人組に囲まれてる。


人通りがない裏道。わたしは隠れて陰から覗き見ていた。


あの制服はこの地域で一番ガラが悪い男子校じゃないの。最悪…。


「そ、そう言われても」

「ここで脱がしてもらいてぇのか?」

「うっ…」


被害者Bを小突き始める加害者少年A。


どどどどうしよう。

ひゃひゃひゃ110番か?!


そっ!それしかないっ!

お巡りさん、助けてください!!

と、慌てながら携帯を取り出した時──。

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