こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「なんで俺が腑抜けになんだよ」

「そのうち逢川に惚れて腑抜けになるだろ」

「まあ!赤城くんたらいいこと言うっ!」


笑いを堪える為、大げさにテンションを上げた。…ら。


「あほか。ありえねぇ。つまんねぇこと言うな」


う、なんて言いぐさ。血も涙もないわ。ひどいじゃないの、ダーリンたら。


「とかなんとか言いながら、単車に乗せて送ってくんだろ?」

「マジでストーカーかよ!盗み聞きしてんじゃねぇ!」

「うっわ!マジかよ!信じらんねぇ!今まで自分の単車には誰も乗せなかった深瀬が!冗談だろ!」

「え、そうなの金沢くん」

「俺らのやパクった原チャの運転する時は後ろに乗せたけど、てめぇのCBXだけは乗せなかったよな、深瀬!」


…ほんとに?


思わずダーリンの顔を見る。


「──!っ、だからなんだっつーんだよ!別に何の意味もねぇ!」

「顔あけーぞ、腑抜け深瀬」

「ばっ…!赤城!てめぇぶっ飛ばすぞ!」

「やっべ、すげ笑える。深瀬が赤面とか天変地異並み」

「黙れ緑川!!」


笑いを堪えるのに必死な赤城くんと緑川くん。


二人に反して、金沢くんはなぜかお怒りのよう。
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