こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「何言ってんだ。女なんて知らねぇよ」

「ぶっ、もっとマシな嘘つけっつーの」

「んな嘘つくか」

「誰が信じるかっての、ばーか」

「お前らが信じようと信じまいとどうでもいい。つーか何の用だよ暇人が」

「何の用?わかってんだろ?あの女に手を出されたくなきゃ…」

「─っ!てぇっ!」

「──!」


目の前で勝ち誇ったようなあほ面をさらしている男の頬を、加減することなく殴りつける。


あいつに手を出そうが俺には関係ねぇしどうでもいい。


助ける義理もねぇ。


危険な目に遭ったことで、二度と俺に近付かなくなれば好都合だ。


「てめぇ!」

「やりやがったな!菊池!」

「おう」

「──っ!」


女が苦しそうにしているのを背後に感じる。

いくらどうなっても関係ねぇとは言え、こいつら頭悪ぃからリアルに死にかけたらまずい。


そうなる前にと、襲いかかる三人の急所を狙い攻めていく。


今日も相変わらず道具を持ってきていやがるが、使いこなせなきゃ意味ねぇんだよ、くそが。


溜まっていたストレスを吐き出すように、殴る手に力を込めた。
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