こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「やっと起きたか」

「え?だ、ダーリン……?あれ?わたし生きてるの?」

「馬鹿じゃねぇの。あれくらいで死ぬかっつーの」


だったら俺はとっくに死んでるわ。


「いや、普通に死ぬでしょ。首締められたら」

「人間はそんな簡単に死なねえよ」

「ちょいとお兄さん。人間を買いかぶっちゃいけないよ」

「どうでもいいけど、いい加減起き上がれよ」


いつまでこんなとこに寝転がってんだよこいつは。


「ん?…ああ、背中が痛いと思ったらこれが原因か」


ゆっくりと起き上がるのを見届ける。

もう充分だろ。


「…生存確認。問題ねぇな」

「へ?な、なに?」


立ち上がり空き地へ向かう。


これに懲りて、俺に関わることがなくなればいい。


変な女。


お陰で前より更に、人と絡むのが面倒だと思うようになった。

    
ま、こんなこと二度とねぇな…


「ダーリン!」

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