こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
……。


「…」

「わたしを助けてくれたんだよね?ありがとう!」

「…」

「すごいね!四人相手に勝っちゃうなんて!ダーリンめちゃくちゃ強いんだね!」

「…」

「ね!聞いてちょうだい!ダー…」

「お前、その『だーりん』ての、一体何なんだよ」


思わず立ち止まってしまった。


このままどこまでも付いて来そうな勢いのこいつを、シカトし続けることができなかった。

こいつの尋常じゃないしつこさには感服だ。


「えっ?」

「まさか俺のことか?」

「まさか?!もちろんですが!」

「俺の周りうろつくなら俺の名前くらい知っとけっつーの」

「いや、名前くらい知ってますがな。深瀬圭悟くん」

「知ってんならなんで変な呼び方すんだよ」


わけわかんねぇ奴だな。


こいつが変なのか?それとも、女はみんなそうなのか?


「なんでって、好きだからでしょう」

「お前、ふざけんのも大概にしろよ」

「ふざけてる気は全くありませんが」


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