こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
…。


「は?うるさいよ。誰がするか」

「お前、なんか投げてきそうで怖ぇよ」

「じゃあ明日からごま塩持ってこないと。生卵でもいいかも」

「うわ、陰湿だな」

「あなたほどじゃございませんわよ」

「周りに女子がいねぇからって、俺で寂しさを紛らわすなよ」

「しねぇよ!」


…前の席の男と仲良さそうじゃねぇか。

これなら俺に構うことはねぇだろ。


よし。


と油断していたのも束の間、その日のうちに甘い考えは打ち砕かれる。


ぼーっとしながら授業を受けていると、机の上に変な形をした紙が置かれた。


なんだこれは。


そう思いつつもスルーを決め込む。相手にしたらめんどくせぇことにしかならねぇからな。


「深瀬くんっ、深瀬くんにだよ!」


あと誰がいんだよ。あほか。そもそもこんなもん、いらねぇっつーの。

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