こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「深瀬の女になるってのはそういうことなんだぞ。マジで大丈夫なのか?」

「それだけ深瀬は危険な奴なんだ。俺にしとけよ」

「おめー、どさくさに紛れて何口説いてんだよ!」

「いってぇな!」


いつものように、あほな金沢は緑川にどつかれる。とことんあほだな金沢は。


──今はそれよりも。


「怖ぇなら逃げろよ。んで金輪際俺に近寄るな。俺はお前を守る気なんてくそもねぇからな」

「逃げるわけないじゃん!ダーリンと一緒にいたいもん!」

「…」


まさか即答されるとは。


少しもたじろいだり迷ったりしねぇなんて、こいつの根性には甚だ感心する。


「すげ。肝据わってんじゃん」

「深瀬、お前の女やるな~」

「やっぱり俺の女になれよ!」


金沢のやつ、マジでこういう女が好きなのか?金沢が女に言い寄るとこ、初めて見たわ。


「…あれ?そういえばお三方、深瀬くんと敵対してたんじゃないの?」


ぶっ!金沢、どんだけ綺麗にシカトされてんだよ。


「え?ああ、まあな」

「つーか深瀬がな!」

「俺らは仲間だと思ってたのにな!」

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