こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
何が仲間だ。ことあるごとに俺を盾に逃げ出すくせに。


「え?え?」

「お前らみてぇな弱カス、仲間なんかじゃねぇよ」

「あ゛あ゛?!てめぇよ!」


金沢が怒鳴りながら睨み付けてくる。でも容姿が容姿なだけに、ガキがイキがっているようにしか見えねぇ。

それでドスを利かせてるつもりか?迫力もくそもねぇ笑える顔だな、金沢。


「てな感じで中学時代は結構ツルんでたんだけど、深瀬のヤロ高校別にするっつーからよ」

「こいつはツルんでる感覚じゃなかっただろうけどな」

「俺らのガッコに来いっていくら誘っても来ねぇわけよ」

「うちに来たら確実にトップだってのに、んなヘボ高になんか行きやがって」

「今のトップの澤田が深瀬にぼろ負けなもんだから、うちのガッコの名前がた落ちなんだわ」

「トップとかやってる時点でだせぇだろ。いつの時代だよ」


んなこと気にしてんのお前らのガッコだけだろうが。勝手にやってろよ。

どんなに誘われたって、行けるわけねぇし行く気もねぇ。


「どうでもいいから早く転校してこいよ。そしたら澤田も大人しくなるってのに」

「俺が行ったらあいつ、トップじゃなくなるのにか?変な奴」


どうでもいいわけねぇだろ。こっちの事情も知らねぇで、勝手ばっか言いやがって。


「卒業した先輩達にガン詰めされてんだよ。名前落とされて相当イラついてっからな」

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