こっち向いて、ダーリン。【改訂版】
「どこだよ」

「コンビニの隣」

「どこのコンビニだよ!」

「ん?あ、榴ヶ岡公園の南側にあるコンビニだよ。やだ、まさかダーリン、ストーカーする気?」

「送ってやる」

「…え。」

「俺が帰る時にいなかったら知らねぇからな」

「だ、ダーリン、お、送るって、わたしを、家まで、送って、くれるの?」

「だからそう言ってんだろ」


どんだけカタコトなんだよ。目を見開いて、表情も固まってやがる。おもしれぇ奴。


「う、うそ」

「あ゛?!いらねぇのかよ!」

「おおおお願いします!で、でも、どうして?」


どうして?こっちが聞きてぇよ。自分でも不思議なほどだ。


あれほど煙たがっていた逢川を、まさか送ってやろうと思えるなんて。


「…気が向いたから、暇つぶし」

「ど、どうして気が向いたの?」


んなつっこむんじゃねぇよ。めんどくせぇな。

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